松元教貢歯科医院からのお知らせ

インプラント治療だけではなく、インプラントを考えて下さい!

インプラント治療は、最終的な敗戦処理の仕事である、と私は思っています。

どう言うことかと言うと、天然歯を残すことが出来なかった、残っている天然歯をこれ以上負担を掛けないで歯を復活させたい、そう言う目的でインプラント治療をするのが主眼、大きな目的である、と考えるからです。

ところが、最近の風潮は、インプラントを夢の治療とか従来になかったことが叶えられる治療として患者さん達に思って貰ってやって貰おう、と言う方向に流れ過ぎている気がします。

だから、若い先生方の中には、学会とかセミナーで何本インプラント植立しているのかとか自慢げに語る、如何なものかと思う人物も出て来てしまうのです。

私は、インプラント治療に到った自分の腕、天然歯を守れなかった未熟さを恥じますし、患者さんに対しても申し訳なかった、と感じてしまいます。

なのに、今や戦略的抜歯、と言う言葉も主張され、歯をインプラントに置き換えて行く治療が増えている気がしてならないのです。

今後の大きな問題として、何処まで自分はこの歯を守れるのか、治して差し上げられるのかの修行が満たない、予測の出来ない、その為に安易にインプラントへ進んでしまう、患者さんを誘導してしまう歯科医が増える気がして心配です。

インプラントは仕方がなく治療するものです。

そのスタンスが崩れてしまったら、安易な抜歯、インプラントが止め処もなく増加し、じゃあ次にはどうなるの?と言う疑問に対して答えられない、つまり何かが起きた時には対応出来ないじゃないか?と言う怖い歯科医が増えるのでは、と個人的に危惧してしまうのです。

 

患者さん達とお話していて、皆さん口を揃えてインプラントは仕方がなくするもの、と言う捉え方をされています。

それが実に素直で、正しい捉え方だろう、と私も思います。

なのに、業界内の雰囲気、今はインプラントの時代、だから今からでも勉強してインプラントを取り入れましょう、と言う流れが強過ぎるのでは、と思われて仕方が無いのです。

怖いことを書いてしまいますが、今尚信頼が置ける安全、安心のインプラント治療を実践されている先生は10%もいないだろう、と私自身は感じて仕方がありません。

そんな雰囲気の中で、今からインプラント(今更インプラント)族が増えるのには、私は賛成出来ません。

 

ですから、患者さん方に知っていただきたいのは、インプラントは決して夢の治療ではない、結構大変なものなのだ、と知っていただいて、インプラントの本数だけとか施術数だけとかを気にするのではなく、その先生の歯科技量、基本的な歯の治療の実力がどれだけ高いのか、真摯に臨床をされているのかの方向で見極めるべきでしょう、と言うことです。

今でもそうですが、インプラントに対して懐疑的な先生の方が、歯科技量が高く真摯な方が多かったりしています。

私は信念があってインプラントはしていない、と言う位の先生が安心出来る、とも言えるのです。

逆にそう言う先生が、患者さんを入歯の苦痛から助けたくてインプラントを取り入れることを決心した、と言うスタンスの方ならおかしなインプラント治療は為されないでしょう。

用心深く診査診断を重ね、治療計画を立て、実際に治った状態へのシュミレーションを重ね、隣に残る天然歯や噛み合う天然歯への配慮も講じ、それでも心配なら、必ず指導医等に立会いをお願いし、導入初期には持ち出しになる状況でも患者さんの為に行うでしょう。

実際に私自身も、新しいインプラントシステムとか手術方法とかを取り入れる際にはそうして来ました。

 

結局インプラント治療と言えども、歯科治療の延長上にしかないものなのです。

それを勘違いして捉えてしまう、インプラントにしたら解決するんだ、みたいな風潮で考えるから、安ければ良い、沢山経験していれば良い、となってしまいかねないのです。

実際のインプラント臨床は、時間の流れの中で長い目で考えなければいけないものです。

患者さんの人生はその後20年、30年と続くのですから。

その中で、今のステージで何処までどう言う介入を図るのか?と言う問題は早々簡単に答えが出せるものではありません。

お口の中全体、時間経過の中、患者さんが年を取ってゆく中、どう守って差し上げられるのか、が最も重要なのです。

それには従来の歯科治療でのチャンとした成果を出せている先生、歯周病治療、根管治療、咬合補綴治療で20年のロングスパンで考えれる実力が欲しい、と私は思います。

この条件で考えるから10%もいないだろう、と断言出来てしまうのです。

 

変わり行くお口の状態の中でどう考えてどう治療するのか、その中でインプラントと言う従来なかったものが更に加わり、予測の難しさは例えようもなく上がってしまっています。

言い換えるなら、今さえ良ければ良い、と言う風潮はいけない、と言うことなのです。

 

インプラントしなければいけないかもしれない、と考え始めた時には、その先生のインプラントの経験だけで物を考えるのではなく、歯科治療の確かさで考える。

特に私のお勧めは、歯周病治療、総義歯治療で20年以上の実績を持っておられる先生なら、おかしなことなしないだろう、と助言できます。

生涯1度きりのインプラントになる為にも、そうしたいのが患者さんでしょうから、安易にインプラント治療を考えるのは止めましょう。

 

 

投稿日:2012年4月5日  カテゴリー: